平成23年度(第39回)キワニス社会公益賞贈呈式
- 受賞者 五郎畑成子 様(他2名)
- 「福祉用具開発研究会」様(団体・11名)
- 来 賓 棚多 里美 様(広島県健康福祉局地域ケア部長)
- 藤原 成幸 様(広島市経済局工業技術センター所長)
o 坪井会長ごあいさつ
それでは平成23年度第39回キワニス社会公益賞贈呈式を行います。本日は来賓の方を始め、多くのみなさま方にご参加いただきまして誠にありがとうございます。この社会公益賞贈呈式は、ご案内のように広島キワニスクラブにとりまして大切で重要な行事です。今回で39回目を迎えこれまで70の個人と団体を表彰してまいりました。この賞は、長年陰ながら社会福祉に貢献しておられます、個人あるいは団体を見出して、これを顕彰し広く社会にご紹介しようというものでございます。本年度は、尾道市を中心に抹茶ボランティア活動の他、ボランティア活動推進会議等で活躍されておられます、五郎畑成子様と、福祉用具の開発や特別支援学校における教材・教具等の開発支援を行っておられます「福祉用具開発研究会」様に贈ることに決まりました。受賞者の方々の詳しいご功績につきましてはお手元の資料にありますので省略させていただきますけれども、今後もみなさま方にはご健康に留意され、継続的な発展と一層のご活躍をお祈りいたしております。最後になりましたけれど、ご多忙のところ本日の贈呈式にご出席いただきました、広島県健康福祉局地域ケア部長の棚多里美様、広島市経済局工業技術センター所長の藤原成幸様には、あらためてお礼を申し上げて、簡単でございますがご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
o 川平社会公益委員長 選考経過報告
ただ今ご紹介いただきました社会公益委員長の川平でございます。第39回キワニス社会公益賞の選考の経過につきまして少しお話をさせていただきたいと思います。
選考につきましては、本年の3月に広島県、広島市、そして4月に広島キワニスクラブ会員の方に候補者の推薦をお願いいたしました。その結果、広島県、広島市から1名と1団体の推薦をいただきました。それに基づきまして、本年の6月9日(木)、そして23日(木)の2回に亘り社会公益委員会を開催して、審議の結果、1名と1団体を受賞ということで決定いたしました。
そして7月5日(火)に、私川平と吉村担当副会長とで「福祉用具開発研究会」様を訪問し、受賞をお伝えするとともに活動の実態についてお話をお伺いしました。さらに7月7日(木)に、私と内海社会公益副委員長とで五郎畑成子様のもとをお訪ねして、同じく受賞をお伝えするとともに活動の実態等についてお話を伺いました。
選考の内容について、お手元の資料に基づきましてご説明いたします。
まず五郎畑成子様ですが、尾道在住で茶道の教師をなさっておられます。経歴の概要についてはここにある通りですが、車いす等の利用者の介助から始めたボランティア活動から、尾道市全域での活動展開、交流の場づくりなどに活動の場を広げられ、さらに広島県域のボランティア活動の推進に寄与されておられます。
具体的に申しますと、平成7年尾道市で開催されていた介護ボランティア講座(週1回3ケ月)を受講され、介護の基礎を学ばれました。それをきっかけとして福祉施設等での車いす利用者の介助の活動を始められたそうでございます。平成8年「介護ボランティアおりづるの会」を設立され、以来現在まで会の代表を務められ、介護活動とともに福祉施設や行事での抹茶振る舞い、それを通じて施設利用者と地域の人たちとの交流の場づくり、憩いの場づくりに努めてこられました。さらに平成12年の介護保険制度の施行により、その後は活動の重点を抹茶振る舞いに移されまして、現在は会の名称も「抹茶ボランティアおりづるの会」として会員16名で活動されておられます。
そうした活動の中で、元々高齢者や障害者の方々は当然ながら当初は抹茶をもてなされる側だったのですが、その活動の中で自らもてなす側に回っていくという、そうした自立的な行動まで付されるような、非常に好ましいことじゃないかなと思います。
平成18年には尾道市内の18のボランティア団体と協同で商店街の空き店舗を使った「荒神堂サロン」を立ち上げ、こちらでは毎週火曜日に五郎畑様ともうお一方で抹茶振る舞いをしておられます。サロンにも来られる障害者の方がいらして「毎週火曜日にここに来るのが楽しみだ」と言われるそうです。
その後平成20年以降につきましては、尾道ボランティアネットワークの役員として地域のボランティアの向上に努めてこられました。活動の場につきましては資料にある通りですが、いろんな場所において活動しておられ、非常に敬服いたしております。今後もこういったことに積極的に取り組んで行きたいというお気持ちを持っておられますので、引き続き様々な活動を含めて、社会のためにご貢献いただければ有難いなという風に思います。
続きまして、「福祉用具開発研究会」様でございますが、広島市中区千田町の広島市工業技術センター内で活動されておられます。経歴の内容は資料にある通りです。平成13年、広島市工業技術センター内に「福祉関連製品開発研究会」を設置されました。元々企業の集まりですから、経済活動を目的とすると言いますか、異業種間交流の中で新たな福祉関連の新製品を開発しようということで始められたわけでございます。そうした中で平成16年度には「福祉関連製品開発研究会」と「車いす技術開発研究会」を統合され、現在のような「福祉用具開発研究会」を立ち上げられたわけです。
活動の中で、会員の企業様から「広島北特別支援学校の生徒さんが非常に困っておられる」と実態をお聞きになられて、広島北特別支援学校において児童生徒のための教材・自助具の相談、あるいはその開発を行うようになりました。当然そういった中で、障害者の教育、更生、授産に対する功績は非常に高いものがあるのではないかと思います。
活動の一端を資料の中に写真でお示ししております。ここにあるのは「トイレ用枠」を設置したところと、シイタケ栽培用ホダ木穴あけ機です。こういった製品開発に当たっては、年1回の相談会、それに基づく製作後の報告会を開催しておられます。相談会そのものは年1回ですが、一つの製品を作るためには、何回か学校へお伺いする中で作られておられます。また長いものであれば製作期間に6ケ月かかることもあったようです。要は、児童生徒の障害に応じて手作りをするというのが非常に大切なところだと思います。障害を持つ子どもそれぞれが普通の生活が出来る様に助ける器具を作る、なおかつ製品をつくる中でそれぞれの学校の先生方にも技術を伝授するといった活動もしておられます。
広島北特別支援学校での活動は平成16年度から8年に亘って続けておられます。平成22年度からは広島特別支援学校、広島皆賀園、こういった所に活動の領域を拡げておられます。
いろいろお話を伺いますと、児童生徒、先生の様々な悩みに対して応えていくことの期待感と、そして何か解決することができるのを楽しみとしていると、非常に前向きな、”ものづくり”の基本にあるようなことをやっておられまして、私お話を聞いておって非常に感動いたしました。
今後もこういった活動を通じて、障害のある子どもたちが普通に生活しやすくなるように支援する活動を続けていただきたいと思います。
以上、簡単でございますが、受賞されたお一方と団体のご紹介をさせていただきました。
o 坪井会長から受賞者に賞状と金一封を贈呈
o 来賓ごあいさつ
- 広島県健康福祉局地域ケア部長 棚多里美 様
- 広島市経済局工業技術センター所長 藤原 成幸 様
o 受賞者 五郎畑成子様のお礼の言葉
みなさん、こんにちは。先程から「ごろうはた」とか「ごろうばた」とか呼んでいただいてるんですが、正式には「ご・ろ・は・た」でございます。私のあだ名は「ゴロちゃん」なんです。どこかの会場に行きますと誰かから「ゴロちゃーん!」と呼ばれまして、私が「はーい!」といい声で返事するもんですから、みんなビックリされるんです。男性を想像されるんですけどれっきとした女性でございます。
今日は名誉ある表彰を受けまして、気持ちは本当にもうドキドキのガタガタなんですけど、お礼を一言、言わせていただきます。
今日は本当にありがとうございました。私としては別に特別な事をしたような気持でもないんですけど。介護講座を受けて、一人暮らしのお宅へ行って一緒にお風呂に入って上げたり食事の支度をしてあげたり、そういうことをするのがボランティアでしたが、介護保険の導入と同時にボランティアのやっていたことがヘルパーさんの仕事になりまして、ボランティアは身体タッチもできないし何もできなくなってしまいました。そのため介護講座を修了した方たちはほとんど辞めていかれました。私もそこで辞めるべきかどうしようか本当に悩みましたけれど、先輩の方が「何でもできるよー」と、10年前でしたかこちらで吉田ヨシ子さん(平成11年度第27回キワニス社会公益賞受賞者)という方が受賞されたんですが、その先輩から「五郎畑さん、あんたそんなに悩まんでも何でもできるよ。その辺に落ちとるゴミ拾うてもボランティアだから。」というようなアドバイスをいろいろ頂いて今日に至ったわけです。
それで今抹茶ボランティアとして活動していますと、本当にみなさんが喜んで待っていてくださるんで、その笑顔が嬉しくて頑張ろうと思うんです。私ももう70になったらボランティアは辞めなきゃいけないかなと思ったんですが、まだちょっとあるんです。それで、これなら70過ぎても今やっているボランティアは続けていかれるかな?と思っているときに、この名誉ある受賞ということだったんで、これプラスあと5年、5年頑張ってみようと思います。ありがとうございました。
o 受賞者 「福祉用具開発研究会」様から、代表として副会長 畑林隆宏さんのお礼の言葉
本日はどうもありがとうございます。本来なら私どもの会の会長であります井島さんが来られるはずで、この贈呈式を楽しみにしておられました。ところが7月6日に持病が悪化され急逝されまして、本日は私が代わりに務めさせてもらっております。私は息子の結婚式以来です、こんな大勢の方の前でお話しするのは。それで原稿を作ってきましたので、それを朗読させてください。
このたびは、「福祉用具開発研究会」の活動に対してこのような評価を頂きまして、誠にありがとうございます。会員を代表して私は深くお礼を申し上げます。私ども「福祉用具開発研究会」は、広島市工業技術センター、広島市産業振興センターの下、仕事づくりを目的に平成13年に発足しました。現在参加企業会員は16社で、途絶えることなく活動してまいりました。モットーは「人にやさしく使い心地のよい器具」を目的に開発し、市販に至った製品も数多くあります。今も開発中でみなさんに喜ばれておるものもたくさんあります。そもそも弊会会員企業は、”ものづくり日本”を支える製造業です。その集まりです。弊社は創業6周年ですが、それに勝る年数、業績をもった会社ばかりです。
支援学校での活動は、本日ご出席の広島国際大学坊岡教授のお勧めで平成16年から広島北特別支援学校で行っております。今年からはまた広島特別支援学校でも行っております。この間、今日に至るまでですが、途絶えることなく6~8社相談会に参加し、先生方からのご要望の教材、生活器具を、坊岡教授のご意見を参考にしながら改善に取り組んできました。そもそも私たちは考えて物を作りそれを売るのが仕事ですから、支援学校の先生方が不便、改善は難しいとおっしゃっても、私たちにはそんな苦労なく解決できるものばかりです。結果としては、先生が納得して子ども達に使わせられるものを作って参りました。この度このような賞を頂きましたが、支援学校への活動は少しも各社会員の負担にはなっておりません。むしろ本業とは違う”ものづくり”に対して、期待やら悩みやら新しくできるのが、それが楽しみです。今後ともこの活動を持続し、子ども達へ小さな贈り物をさせていただきたいと思っております。本日は、誠にどうもありがとうございました。
o 受賞者・ご来賓退場
o 平成23年度(第39回)キワニス社会公益賞贈呈式終了